賃貸のメリット・デメリットと新しい着眼点

公開日:2021年9月2日 最終更新日:2024年3月14日
購入検討段階(買うべきか、持ち家か賃貸か)
『持ち家か? 賃貸か?』 さまざまなところで意見が交わされるこのテーマ。 家は暮らしを充実させるのにとても大きな役割を果たすので、当然のことかもしれません。 ここでは賃貸住宅に住むメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

賃貸住宅に住むメリット・デメリット

賃貸住宅のメリット

賃貸住宅の最大のメリットは、ライフステージや自分の都合に合わせて引っ越しができる点でしょう。たとえば、結婚当初は夫婦だけでしょうし、その後に子供ができ、成長し、独立。それぞれに必要な部屋数が違ってくるので、それに合わせて家のサイズを変えることができます。

また、親の介護をするためや転勤・転職などにより、住まいを変えたいときも気軽に引っ越せます。

一生はどんなことがあるのか分からないもの。その時々に自分都合で家を変えられることがメリットだと考えれば、賃貸の方がよいかもしれません。

賃貸住宅のデメリット

一方、賃貸住宅のデメリットは、ずっと家賃を払って行かなければならないという点です。数年前、金融庁の金融審議会の「老後1,300 万円~2,000 万円が不足する」という試算、いわゆる老後2,000万円問題が話題になりました。この試算は持ち家をモデルケースとしていて、家賃は含まれていません。つまり、賃貸に住み続けると、想定以上の老後資金が必要だと言うことです。

また、家の中を自分好みに変えられないというのもデメリットでしょう。「ここに棚があったらもっと便利なのに」「この場所に手すりがほしい」などはもちろん、壁の色が気に入らないと感じても変更することはできません。家は満足度の高い暮らしに欠かせないスペースです。そこに妥協しなければならないことに不満を感じる方は多いようです。

高齢化社会の問題から見る、賃貸住宅のもうひとつのデメリット

さらにもう一つ。
最近、注目が高まっている賃貸住宅関連の問題を紹介しておきます。

高齢化が進む中、ご夫婦のどちらかが先に亡くなった後、残された配偶者が一人暮らしをするケースが増えています。しかも、その期間が長くなっています。

ところが、高齢者の一人暮らしは健康リスクが高いことから、「貸したくない」と感じる大家さんが多いのです。日本賃貸住宅管理協会などの調査によれば、8割の貸主が、「単身高齢者の入居に拒否感を感じている」と回答しています。

この現状を重く見た国土交通省は、単身高齢者入居の拒否感を軽減しようと、事故物件告知の指針の明確化に向けて動き出しました。具体的には、自然に亡くなったときは告知の必要がないとするものです。

とはいえ、亡くなってから長期放置された場合は告知義務が生じます。この対策が大家さんの感情改善にどこまで影響するかは分かっていません。

公営住宅やUR賃貸は入居に条件がある

高齢者になったら、公営住宅やUR賃貸を利用すればいいじゃないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この2つにはさまざまな条件をクリアしなければならないという難関があります。

公営住宅は一定額以下の収入でなければなりませんし、抽選なので、なかなか入居先が決まりません。

一方UR賃貸は、一定額以上の収入がなければ入居できませんし、介護が必要な高齢者は同居者がいなければなりません。

社会年金をもらっていて公営住宅の公募条件には入らず、かといってUR賃貸住宅にも住めないという高齢者も少なくないのです。これは国や地方自治体が今後、取り組むべき問題ですが、一方でなかなかクリアできない問題でもあります。

持ち家か賃貸かが議論になるときは、いつでも借りられる賃貸住宅があることが大前提になっています。ですが、実際にはこの前提が崩れ、苦しんでいる方が増えていることも知っておくべきかもしれません。

持ち家か賃貸かは、どちらが自分に合っているかで選ぶべき


結局のところ、持ち家と賃貸住宅のどちらを選べばよいのかは、自分の価値観にあった方を選ぶべきとしか言えないのかもしれません。もちろん、今だけを見るのではなく、将来も含めて判断するべきですね。

最後に

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