東京の太陽光発電設置義務化が日本の一戸建てを変える!?その制度の意義とは
東京は日本の首都であり、ここで決まった物事が徐々に全国に広がったことも多くあります。もしかしたら、そう遠くない未来には、「一戸建て住宅の屋根には太陽光パネルがあるのが当然」となっているかもしれません。
今回は一戸建て住宅の太陽光発電について考えます。
東京都の太陽光発電設備設置義務とは?
まずは、東京都の太陽光発電設置義務化について見ていきましょう。
この設置義務を負うのは、分譲住宅や注文住宅を供給するハウスメーカーです。この中でも、年間の都内供給延床面積の合計が2万㎡以上の事業者のみ。個人への義務付けではないのがポイントであり、小規模な工務店などが建てた住宅も、この制度から外れます。
東京都が発表した試算では、対象となる事業者は大手住宅メーカー約50社。都内の年間着工数4.5万件のうち対象となるのは半数程度だそうです。
実は、今回東京で義務化されることになった太陽光発電の設置義務は、国も検討した経緯があります。
菅首相の頃、温室効果ガスの46%削減などが含まれる脱炭素に向けた施策のひとつとして、小泉環境相らが「新築住宅への太陽光設置義務化」を叫んでいました。しかし、太陽光パネルを設置することになると必然的に住宅価格が値上がります。
そのため、群馬県や京都府の同種条例では一戸建ては対象外となりましたし、政府が国会に提出した建築物省エネ法改正案でも一戸建ての設置義務化は見送られました。専門家や議員からは、「2025年か30年には義務化しなければならない」と言われていたのですが、それでも実現しませんでした。
しかし今回、小池百合子知事が掲げたのは政府より厳しい目標。その実現には一戸建ての義務化がなければ達成できないとされ、義務化となったのです。
脱炭素社会、カーボンニュートラルの時代
なぜ、これほどまでに太陽光発電が注目されるのでしょうか?
それは日本だけでなく、地球規模の取り組みによるもの。話は非常に大きなことなのです。
地球温暖化が大きな問題となっていることはご存じかと思います。この気候変動問題の解決のため、2015年に「パリ協定」が採択されました。そして現在、120以上の国と地域が取り組みを進めています。
内容は以下です。
世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)
今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること
環境省「脱炭素ポータル」より
具体的に何をすれば目標を達成できるのかが分かりにくいのですが、これを実現するために、「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げて世界中が取り組んでいます。
日本では、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指す」と宣言しています。
カーボンニュートラルと聞いてもピンと来ず、脱炭素の方が分かりやすいかもしれません。内容としては、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、二酸化炭素排出量を実質ゼロにすると宣言したわけです。
何だか分かりにくいですが、結局、今回の東京都の一戸建ての太陽光発電装置の設置は、地球規模の問題に取り組むためのもの。最近の夏は暑いと言われ、気温上昇を実感することも多くなっています。まさにその問題に対抗する措置なわけです。
なぜ太陽光発電は脱炭素になるのか?
ところで、なぜ太陽光発電は脱炭素につながるのでしょうか?
石油や石炭、天然ガスなどは化石由来のエネルギーです。発電するときに二酸化炭素=温室効果ガスを排出するので、地球を汚します。
一方、太陽光発電は再生可能エネルギーの代表格。再生可能エネルギーとは、太陽光・太陽熱・風力・地熱と、自然由来のエネルギーのことです。これらは自然界に常に存在していて、枯渇する心配はありません。あくまでも、今あるものを有効活用してエネルギーに変えるので、自然にやさしいのです。それゆえに、「クリーンエネルギー」とも呼ばれています。
最後に
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