土砂災害特別警戒区域「レッドゾーン」とは
土砂災害特別警戒区域、レッドゾーンとは?
土砂災害が起こると被害が出やすい場所がいくつかあります。そのようなところはあらかじめ警告をし、土砂災害が起こりそうになったら早めに対処する必要がでてきました。
1999年6月の「広島豪雨災害」で死者24名という被害を出したことで、国は土砂災害防止法の策定に着手。現在はこの法律に基づいて、都道府県が「土砂災害警戒区域」(通称イエローゾーン)の指定を進めています。これは、簡単に言えば、危険が大きい区域のことです。
そして、この土砂災害警戒区域の中でも、特に命が危険となる区域が「土砂災害特別警戒区域」(通称レッドゾーン)として指定されています。
国土交通省によれば、全国のレッドゾーンは約55万ヶ所(2021年3月時点)もあるそうです。
イエローゾーン、レッドゾーンの基準
このイエローゾーンやレッドゾーンをもう少し詳しく説明します。
まず、国土交通省が想定している土砂災害の種類は以下の3つです。
急傾斜地の崩壊
傾斜度が30°以上である土地が崩壊する自然現象。いわゆる崖くずれ
土石流
山腹が崩壊して生じた土石等または渓流の土石等が一体となって流下する自然現象
地すべり
土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象またはこれに伴って移動する自然現象
そして、イエローゾーンについては具体的な規定が決められています。
土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)
■急傾斜地の崩壊
イ 傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
ロ 急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
ハ 急傾斜地の下端から急傾斜地高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域
■土石流
土石流の発生のおそれのある渓流において、扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域
■地滑り
イ 地滑り区域(地滑りしている区域または地滑りするおそれのある区域)
ロ 地滑り区域下端から、地滑り地塊の長さに相当する距離(250mを超える場合は、250m)の範囲内の区域
引用:国土交通省 土砂災害防止法の概要
ではレッドゾーンはどうかと言うと、「傾斜度が何度以上」のように具体的な数字が決まっているわけではありません。
土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)
急傾斜の崩壊に伴う土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動に対して住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある崩壊を生ずることなく耐えることのできる力を上回る区域。
※ただし、地滑りについては、地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等により力が建築物に作用した時から30分間が経過した時において建築物に作用する力の大きさとし、地滑り区域の下端から最大で60m範囲内の区域。
引用:国土交通省 土砂災害防止法の概要
この文章だけを読んで、具体的なイメージを掴める方は少ないかもしれません。簡単に言ってしまえば、レッドゾーンとは、イエローゾーンに該当する地域のうち、住民の生命や体への危害が起こる可能性が特に高い地域を指しています。
どのように指定しているか?
これらのイエローゾーンやレッドゾーンの指定は、どのように行っているのでしょうか。
これについては、各都道府県が該当しそうな土地の地形や地質、また土地の利用状況などについて調査を行って指定を行っています。
また5年ごとに再度調査が行われることになっており、これで新たに指定されることもあります。
家を購入するときには前もって安全確認を!
夢のマイホーム。そこは自分や家族の命を守る場所であり、財産でもあります。そこが安全な場所なのか、レッドゾーンやイエローゾーンに含まれているかどうかを調べるのはとても大切なことです。
危険があることを理解していれば、早めに避難するなど、リスクを回避することができるはず。これから家を購入しようという方は、ぜひ自分の目で確かめるか、購入前にハウスメーカーや不動産屋にご確認ください。
最後に
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