一戸建ての木造と鉄骨造の違いとは?防災と暮らしの観点から比較してみた
木造と鉄骨造。それぞれのメリット・デメリットを比較
耐震性について
一般的に、木造住宅は地震に弱く、鉄骨造は地震に強いというイメージを持っている人が多いと思います。ですが、阪神淡路大震災の時、鉄筋コンクリート造のビルまでもが倒れる中、見るからに古い木造住宅がそのまま残っていたということがありました。
なぜこうなったかといえば、木材のなかでもしなやかな樹種が使われていて地震の揺れを吸収し、さらに構造を補強する筋交いが十分に機能したために、高い耐震性を発揮したのです。
その後、2000年に建築基準法が改正され、それ以降建築される建物は、さらに高い耐震基準を満たすことが求められています。また最近では、木造の高層ビルを建てる例が増加しており、「木造だから地震に弱い」とは言えなくなってきています。
もちろん、鉄骨造は地震に強いです。鉄骨造は地震のエネルギーを鉄骨が吸収して耐震性を発揮するからです。基礎構造も頑丈なため、今の耐震基準で建てられていれば、大きな地震でも倒壊するようなことはまずありません。ただし、鉄筋コンクリート造の場合、建物自体の重量があるため、揺れは大きく感じられます。
耐火性について
耐火性については、木造住宅と鉄骨住宅を比較すると、鉄骨の方が耐火性は上がります。また火災保険に関しても、2つを比較すると木造住宅の方が低く設定されています。
しかし、一般的に言われる「木造は火に弱く、火事になったら、あっという間に燃え広がってしまう」というイメージは少し違うかもしれません。確かに、昔はそのイメージに近かったのは事実ですが、近年は木材の性能が上がっており、耐火性も強化されているからです。
前述した木造の高層ビルの場合、耐火性においては厳しい基準を設け、そのテストに合格したものだけを採用するようになっています。つまり、木材も非常に燃えにくい素材にする技術ができたということです。もちろん一戸建てで使用する建材が高層ビルの建材と同じではありませんが、それだけ技術が上がっている証明にはなるでしょう。
どちらにしても、火災はあってはならないこと。最初に燃え広がるのは家の中にある家財です。火災が起きないような暮らしをすることは、何よりも重要です。
防音について
日々の暮らしの中で気になることに防音があります。子供の声や生活音を外部に漏らさない遮音性は、鉄筋コンクリートの方が高くなります。
ただし一軒家では窓の開閉状態に加え、周りの家との距離なども関係します。
暑さや寒さについて
マンションは、冬は暖かく、夏は涼しいと思っている方も多いようです。
これはエアコンを買いに行くと、「マンション8畳/木造6畳」と書かれていることも影響しているのかもしれません。
しかしこれは、マンションという形態に由来するもの。自分が暖房を使いたいほどの気温であれば、周りの家も暖房をかけていて、マンション全体として暖ためあっているという特性があるからです(冷房も同じ)。
しかし、一戸建てとなると状況は変わります。単体で温めたり冷やしたりしなければいけないわけで、気密性や断熱性が大きく関わってきます。こうなると鉄骨造の方が不利で、特に冬場は寒さを感じやすいと言われています。
また夏は鉄筋の方が熱を溜め込みやすく、放熱もしにくいため温度も高くなりがちです。
一方、木造は古くから日本に馴染んだものであり、木材自体が自然に対応する素材です。鉄筋コンクリートに比べ夏は涼しく、冬は暖かい特徴があります。
最後に
木造でも鉄骨造にもメリット、デメリットがあることが伝わったかと思います。結局、どちらがよいのかを選ぶのはご自身の判断によるかと思いますが、この記事が選択する際の助けになると幸いです。
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