東京の太陽光発電設置義務化が日本の一戸建てを変える⁉ まずはオール電化で時代を先取り

東京は日本の首都であり、ここで決まった物事が徐々に全国に広がったことも多くあります。もしかしたら、そう遠くない未来には、「一戸建て住宅の屋根には太陽光パネルがあるのが当然」となっているかもしれません。
今回は一戸建て住宅の太陽光発電について考えます。
なお、太陽光発電に関する記事はこちらにもあります。ご興味のある方は、ご覧いただければと思います。
一戸建てを購入するとき太陽光発電を設置するメリットとデメリット
https://sears-estate.co.jp/column/018/
目 次
東京都の太陽光発電設備設置義務とは?
まずは、東京都の太陽光発電設置義務化について見ていきましょう。この設置義務を負うのは、分譲住宅や注文住宅を供給するハウスメーカーです。この中でも、年間の都内供給延床面積の合計が2万㎡以上の事業者のみ。個人への義務付けではないのがポイントであり、小規模な工務店などが建てた住宅も、この制度から外れます。
東京都が発表した試算では、対象となる事業者は大手住宅メーカー約50社。都内の年間着工数4.5万件のうち対象となるのは半数程度だそうです。
実は、今回東京で義務化されることになった太陽光発電の設置義務は、国も検討した経緯があります。
菅首相の頃、温室効果ガスの46%削減などが含まれる脱炭素に向けた施策のひとつとして、小泉環境相らが「新築住宅への太陽光設置義務化」を叫んでいました。しかし、太陽光パネルを設置することになると必然的に住宅価格が値上がります。
そのため、群馬県や京都府の同種条例では一戸建ては対象外となりましたし、政府が国会に提出した建築物省エネ法改正案でも一戸建ての設置義務化は見送られました。専門家や議員からは、「2025年か30年には義務化しなければならない」と言われていたのですが、それでも実現しませんでした。
しかし今回、小池百合子知事が掲げたのは政府より厳しい目標。その実現には一戸建ての義務化がなければ達成できないとされ、義務化となったのです。
脱炭素社会、カーボンニュートラルの時代
なぜ、これほどまでに太陽光発電が注目されるのでしょうか?それは日本だけでなく、地球規模の取り組みによるもの。話は非常に大きなことなのです。
地球温暖化が大きな問題となっていることはご存じかと思います。この気候変動問題の解決のため、2015年に「パリ協定」が採択されました。そして現在、120以上の国と地域が取り組みを進めています。
内容は以下です。
世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)
今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること
環境省「脱炭素ポータル」より
具体的に何をすれば目標を達成できるのかが分かりにくいのですが、これを実現するために、「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げて世界中が取り組んでいます。
日本では、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指す」と宣言しています。
カーボンニュートラルと聞いてもピンと来ず、脱炭素の方が分かりやすいかもしれません。内容としては、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、二酸化炭素排出量を実質ゼロにすると宣言したわけです。
何だか分かりにくいですが、結局、今回の東京都の一戸建ての太陽光発電装置の設置は、地球規模の問題に取り組むためのもの。最近の夏は暑いと言われ、気温上昇を実感することも多くなっています。まさにその問題に対抗する措置なわけです。
なぜ太陽光発電は脱炭素になるのか?
ところで、なぜ太陽光発電は脱炭素につながるのでしょうか?石油や石炭、天然ガスなどは化石由来のエネルギーです。発電するときに二酸化炭素=温室効果ガスを排出するので、地球を汚します。
一方、太陽光発電は再生可能エネルギーの代表格。再生可能エネルギーとは、太陽光・太陽熱・風力・地熱と、自然由来のエネルギーのことです。これらは自然界に常に存在していて、枯渇する心配はありません。あくまでも、今あるものを有効活用してエネルギーに変えるので、自然にやさしいのです。それゆえに、「クリーンエネルギー」とも呼ばれています。
太陽光発電システムを設置すると、光熱費はどれくらい安くなるか?
地球のために必要な太陽光発電ですが、一戸建てに太陽光発電を取り付けるには気がかりな問題があります。それは設置にコストがかかること。また、維持費も必要で、なかなか設置に踏み切れない方が多くいらっしゃいます。その一方で、太陽光発電を設置すれば、光熱費の負担が軽くなることが知られています。どれくらい安くなるのかは、非常に気になるところ。そこで、一般的な家庭の光熱費を使って比較してみます。
■太陽光発電なしの場合
月平均の光熱費:電気代10,000円+ガス代8,000円
合計18,000円
年間合計の光熱費:216,000円
■太陽光発電導入後
(太陽光発電のシステム容量5kW程度、屋根は南向き、蓄電池導入、IHクッキングヒーターとエコキュート設置の場合)
月平均の光熱費:1,518円
年間合計の光熱費:18,210円
関連リンク)パナソニック光熱費シミュレーション
なんと!
このモデルケースでは、太陽光発電導入後の年間の光熱費は、導入前の1か月分の光熱費にも満たないのです。
年間の差額は、197,790円!
かなりの金額ではないでしょうか?
こうなってくると、最初から太陽光発電システムが設置された家を購入することは無理でも、いつかは設置したいと考える方もいらっしゃると思います。東京が設置を義務化したことで、今後は太陽光発電システムに必要な太陽電池モジュールや蓄電池ユニットなどが安くなる可能性もあります。それであれば、その時に備えた家にしておくことが賢い選択かもしれません。
いつか太陽光発電を導入するなら、オール電化の家にしておく
今は自宅に太陽光発電を設置する方も増えてきました。以前は、発電して、余った電気を売ること(売電)が最大のメリットだった時期もあります。ですが、今は売電価格も落ち着き、環境を考えた家づくりをしつつ、自宅の光熱費を安くする方向にシフトしています。こうなると、太陽光発電による光熱費ダウンの恩恵を最大にするのはオール電化の家となります。通常、ガスを使っているキッチンやお風呂をすべて電力化し、ガスを利用しなければ、利用料はもちろん、基本料金も不要となります。
具体的にオール電化の家では、IHクッキングヒーターとエコキュートを設置するのが一般的です。
エコキュートとは、「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と言うシステム。夜間の安い電力を使用し、ヒートポンプ技術によってお湯を沸かすので、太陽光発電を設置していなくても光熱費のダウンに役立ちます。
そして、もうひとつ、エコキュートには大きなメリットがあります。それは、震災などで断水した場合、水を確保できていること。飲用水としては利用できませんが、タンク内の水を生活用水として使用できるので、手洗いやトイレの水に困りません。
IHクッキングヒーターは火力が強い
オール電化を好んでいない方の中には、IHクッキングヒーターを好まない方がいらっしゃいます。その理由は、「調理のとき、火力が弱い気がするから」というものです。筆者の体感で恐縮ですが、以前、知り合いのお宅にお邪魔したとき、IHクッキングヒーターを使っていました。そのとき、確かに火力が弱かったことを記憶しています。
「これで炒め物なんてできるの?」と言ったら、「思った通りのできにはならない…」と答えました。
ただし、この記憶は20年も前のもの。その後、IHクッキングヒーターはもちろん、鍋も進化し、炒め物も問題なくできるようになっています。あまり知られていないことですが、IHの長所は火力が強いこと。炎を目にすることはありませんが、実はかなりの実力者なのです。
他にもIHクッキングヒーターには長所がたくさんあります。
・火が発生しないため、火災に対する安全性が高い
・空気を汚さない
・コンロ本体やキッチンが熱くならない
・汚れにくく、フラットな構造で手入れが楽
ぜひこの機会に、IHクッキングヒーターの実力を知っていただきたいと思います。
これからは太陽光発電を備えたオール電化の家へ
地球温暖化を防ぐには、個人個人の力を合わせることが必要です。人にもやさしく、お財布にもやさしく、地球にもやさしい。そんな太陽光発電はこれから増えていくことは間違いないでしょう。最初から太陽光発電の戸建てに住むのは理想的かもしれませんが、経済的な面を考えれば、最初からは難しい方も多いでしょう。それであれば、家を購入した後から利用できる補助金があります。これからは2050年の目標達成に向けて、もっと利用しやすくなったり、手厚くなったりするのではないかと言われています。
屋根の上で発電する一方で、ガスでお湯を沸かすのはもったいないこと。助成金をもらった上で、光熱費も安くなる。恩恵を最大限に受けるには、最初からオール電化の家を購入するのが理想かもしれません。
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シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。
新築一戸建てをお探しなら、シアーズエステートをぜひご活用ください。
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