快適な家に欠かせない4つの動線と回遊動線、収納の関係とは?

住みやすい家の絶対条件として欠かせないものに、「動線」があります。
一戸建てを購入する場合、「建売住宅よりも注文住宅の方がよい」と考える人がいますが、動線については、建売の方が圧倒的にすぐれているのでは?と感じています。
この記事では、住宅の動線とはどういったもので、どのような点を考慮すべきか。また、なぜ建売の方がすぐれていると思うのかについて解説します。
目 次
暮しやすさにつながる家の動線とは?
理想の家と言われて、どのような家を想像しますか?さまざまなポイントがあがると思いますが、その条件を満たしても、実際に住んでみて住み心地がよいと感じるかどうかは別。そこには、動線と言う発想が重要となるからです。
動線とは、自分や家族が暮らす中で、どういう動きをするかであり、動線がすぐれた家とは、家族が家の中を動きやすい家となります。
家によっては、洗濯を干しに行くときにリビングでくつろいでいる家族に立ち上がってもらわなければならなかったり、来客時に見せたくないところまで見られてしまったり。最近では、帰宅したらできるだけ早く手を洗ってほしいのに、家の奥に入らないと洗面台がない家もあり、何かと不都合を感じます。
これらは、動線がよくない家、または動線を考えていない家となります。
家族に不評で、不自由な家
ここで、実例を挙げてみたいと思います。私が子どもの頃によくお邪魔していた家です。この家は、決して狭い家ではなかったと思います。おじいさまがこだわりを持って建てた注文住宅で、小学生だった私たちにもよく自慢していました。
ところが、友だちもお母さまも、不満が多かったと記憶しています。そして、遊びに行った私たちも、決して居心地がよいとは言えませんでした。
なぜなら、リビングの入り口から風呂場(脱衣所)が丸見え。ドアを閉める習慣がないおじいさまは、夕方になると入浴するため、毎回裸を見ることになります。
さらに、部屋数が多いことにこだわった結果、2階には四畳半の部屋が5つ。友だちの部屋はお兄ちゃんの部屋を通って入らなければならず、いい顔をされなかったのを記憶しています。
もちろんこの家が住みにくかったのは、要望をそのまま聞き、工夫をしなかった設計士の責任もあるでしょう。
しかし、購入者の要望によっては、また設計士との相性によっては、今でも決して快適とは言えない家が建っているのは事実です。
その点、建売住宅なら、最初から動線も考慮に入れた設計をします。そのため快適に住める家になるのです。
快適な住まいで考えるべき4つの動線
では、快適な住まいにするために考えるべき導線には、どのようなものがあるのでしょうか?いろいろな考え方がありますが、以下の4つだと考えれば十分ではないかと思います。
- 家事動線
- 生活動線
- 衛生動線
- 来客動線
それぞれについて説明していきます。
料理や洗濯のしやすさに直結する「家事動線」
家事動線とは、料理や洗濯などの家事をするのに関わる動線です。以前は家事動線を気にするのは女性だけというところが大半でしたが、最近は男性でも意識する人が増えています。家事はあちこちと動き回るのが特徴です。ときには室内だけでなく、室外の出入りがあるのもポイント。食事のお買い物をすれば、キッチンまで運び込みますし、調理が終わればテーブルに運ぶ。食事後は片付けもありますし、ゴミも出ます。
キッチンに勝手口を作る方法もありますが、敷地内に入ってから勝手口まで行くのが大変というのでは便利とは言えません。最近はコンパクトな家が増えているので、勝手口を作らない家がほとんどになっています。それであれば玄関からキッチンまでの動線はますます重要になります。
また洗濯は、洗って外に干す、乾いたら室内に取り込む、たたむという作業があります。これを動く範囲も広く、効率を考えて配置したいものです。
さらに、最近注目されている名もなき家事。細々とした家事をするために、時間が過ぎてしまうのは家事動線の悪い家。
洗濯機を回しながら料理はしたいし、子どもの世話をしながら掃除をしたい。家事は同時進行で複数のことが行われます。これを可能にするのが家事動線のよい家ということになります。
忙しい朝を快適にする「生活動線」
生活動線とは、まさに日常生活を送るための動線です。特に気になるのは、朝の通勤や通学の準備をする時間。家族全員がほぼ同じ時間にバタバタするので、不都合が生じやすくなります。洗面台の広さも重要で、近くに髭剃りやドライヤーなどが収納されていることも重要。コンセントの場所と数も忘れてはいけないポイントです。
先ほどの家事動線とも重なりますが、お弁当を作りながらお子さんの準備が進んでいるかもチェックしたいもの。また、夜には片付けをしながら、一家団らんに加わりたくなります。こうなると壁に向かったキッチンより、リビングに向かって開けている方がよいでしょう。
手洗いがしやすくなる「衛生動線」
新型コロナの流行以降、衛生への関心は非常に高くなり、衛生動線は欠かせない項目となりました。家に帰ったら、できるだけ早く手を洗いたいと考えるのは当然のこと。家を建てるとき、水回りは一箇所にまとめた方がよいのですが、そのために玄関から遠く離れた洗面台にわざわざ行かなくてはならないのでは不便になります。お子さんは、手を洗わなくていいやと考えることもあるでしょう。
水まわりを複数箇所にしなくても、設計の工夫で衛生に配慮した動線を確保することは可能になります。これは設計士の腕の見せ所とも言える部分。
また衛生動線で気になるのがトイレの場所。海外では水回りを一箇所にまとめるという観点からか、トイレと洗面台、シャワールームが一箇所にまとめられているのが主流です。もちろん日本のワンルームにある3点ユニットのように小さいものではないのですが、それでも日本人としてはシャワーを浴びている人の横でトイレをするのは気が引けます。
音や臭いを考えれば、トイレは適切な場所にあってほしいもの。ここにもメーカーの工夫が出てくるので、ぜひチェックしてほしいと思います。
見せたくないものは見せない「来客動線」
家を買うと、親戚や友人などが集まる機会が増える方が多くなります。趣味のサークルなどに場所を提供している人もいます。このときの動線を考えるポイントは、単に動きやすいということではなく、視線にも配慮すということ。プライベートな部分は隠したいと思う方も多いでしょう。
来客があったら玄関からお迎えし、スムーズにリビングに案内し、かっこよくお茶を出し、安心して話に花を咲かせたいもの。そして直前にバタバタしなくても、リビングとキッチンだけは片付いている雰囲気になれば、こんなに最高なことはありません。
しかし、どんなにリビングをかっこよくしていても、横の部屋に取り込んだ洗濯物が放置されていれば魅力が半減します。また、プライベートな部分を見せないために、来客がくる直前にバタバタとするのも避けたいもの。これには来客動線が大きく関わるわけです。
中には、リビングから浴室が見えるために、「来客中は入浴禁止」としている家もあるようで、不便ですよね。こういった場所をドアで仕切るなどして見えなくすることが大切です。
快適な家の秘密、回遊動線
「回遊動線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?回遊動線とは、動線上に行き止まりの場所がなく、家の中をぐるっと一周回れる動線のこと。いわば、家の中に近道があると言えば分かりやすいかもしれません。
例えばこの見取り図は、シアーズエステートの建売、33坪プランのものです。

この家では、リビングの隣に洋室があります。この洋室にはリビングから出入りできますが、室内に玄関ホールにつながったドアがあるので、こちらを使って出入りすることも可能です。

動画もありますので、参照していただけると幸いです。
https://youtu.be/CU5fweY3UYU
この回遊動線があることで、来客にあわせて、この部屋を有効に使えます。普段は子どもが遊ぶ姿を見えるようにしていても、仕切りドアを閉めてしまえば、雑多なイメージを隠すことができます。また洗濯物を取り込んでも、それを見せることなくたたむことが可能です。
回遊動線は、複数の導線を両立させるのに非常に役立ちます。また、開放感のある空間を作ることができ、家を大きく感じさせるメリットもあります。
もちろん、全ての部屋を通り抜けられるというのは無理ですし、それではプライバシーがなくなってしまいます。ですが、重要な所には回遊動線を設けることで、生活上のメリットは大きくアップします。
適切な配置の収納が満足度の高い家をつくる
複数の動線を確保するのに重要なポイントがもうひとつあります。それは収納が適切な場所にあること。玄関にはシューズボックスがなくてはなりませんし、キッチンには食器棚がなくてはなりません。それは当然なのですが、さらに深く考えれば、そのサイズか適切な必要があり、うまく隠せるとより便利になります。
例えば、洋服は2階の各部屋にあっても、子どもの制服やコートなどは1階に収納できた方が便利かもしれません。しかし、コート掛けを置くと誰の目にも入り、かっこよいとは言えません。こうなると、洋服がしまえるクローゼットが1階にある必要がでてきます。
この収納の多さを実現できるのは一戸建てであり、適切に配置されているという意味では、建売住宅がすぐれているのかと思っています。
注文住宅のすべてに勝るとは言いませんが、設計士の腕によるところも多く、時にはここに収納スペースがあった方がいいんじゃないかという家を見かけます。逆にこんなにも作り付けの収納をつくったら、冷蔵庫はどこに置くんだろう?と疑問に思うケースも見かけます。
家族の時間を快適にするのは、その家でどんな生活がされるのかを意識し、さまざまな動線を確保できる設計をすることが大切です。
ぜひ、快適な家を購入し、幸せを実感してください。
シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。
新築一戸建てをお探しなら、シアーズエステートをぜひご活用ください。
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