「レッドゾーン」に要注意。一部の住宅ローンが利用できなくなるって本当? | 福岡のハウスメーカー

「レッドゾーン」に要注意。一部の住宅ローンが利用できなくなるって本当?


監修者:事業責任者・取締役 金澤 哲

「レッドゾーン」に要注意。一部の住宅ローンが利用できなくなるって本当?
近年、明らかに増えている、豪雨による土砂被害。被害が出やすい地域として指定される通称「レッドゾーン」は全国に55万ヶ所も存在します。
また、2021年10月には、代表的な住宅ローン[フラット35]の一部がレッドゾーンで使用できなくなりました。

この記事では、レッドゾーンとはどのようなものかを踏まえたうえで、使えなくなった住宅ローン[フラット35]Sについて解説します。

豪雨の原因は線状降水帯

近年の豪雨は異常と言えます。2014年8月の広島市の土砂災害以降、「線状降水帯」という単語が使われるようになると、毎年のようにニュースで聞くようになりました。

線状降水帯の正体は、積乱雲。夏の夕立を引き起こす大きな雲と言えばわかりやすいかもしれません。入道雲や雷雲などと呼ばれるもので、バケツをひっくり返したような激しい雨を降らせます。

積乱雲のひとつひとつは雨を降らせてしまえば衰えるため、寿命は1時間ほど。ところが、線状降水帯になると、この積乱雲が連続して発生します。その結果、夕立のような激しい雨が長時間続くことになるのです。

「線状」と聞くと細くて長いイメージを持ちますが、実際の長さは50~300 km、幅は20~50 km程度ですから、かなり広い範囲となります。

土砂災害は増えている

九州地区では、2017年7月5日から6日にかけて福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した「平成29年7月九州北部豪雨」が記憶に新しいかもしれません。

また、2021年8月には、活発化した梅雨前線の影響による大雨が広範囲に降りました。

九州北部では11日からの降水量が1000ミリを超え、1週間も経たず年間雨量の5割に達する地域が出るなど、広い範囲で記録的な大雨となり、大きな爪痕を残しています。

また、衝撃的だったのは熱海伊豆山の土石流。街中を大量の泥が流れる映像が繰り返し流されました。

ニュースを見ていると、どの土砂災害でも高齢者の方が、「生まれてはじめてのことだ」と言っています。そのセリフが異常さを物語っています。

実際、土砂災害は増加しています。2018年は1982年からの平均の約2.5倍、2020年は平均の約1.2倍の土砂災害が発生しています。

土砂災害特別警戒区域、レッドゾーンとは?

土砂災害が起こると被害が出やすい場所がいくつかあります。そのようなところはあらかじめ警告をし、土砂災害が起こりそうになったら早めに対処する必要がでてきました。

1999年6月の「広島豪雨災害」で死者24名という被害を出したことで、国は土砂災害防止法の策定に着手。現在はこの法律に基づいて、都道府県が「土砂災害警戒区域」(通称イエローゾーン)の指定を進めています。これは、簡単に言えば、危険が大きい区域のことです。

そして、この土砂災害警戒区域の中でも、特に命が危険となる区域が「土砂災害特別警戒区域」(通称レッドゾーン)として指定されています。

国土交通省によれば、全国のレッドゾーンは約55万ヶ所(2021年3月時点)もあるそうです。

イエローゾーン、レッドゾーンの基準

このイエローゾーンやレッドゾーンをもう少し詳しく説明します。

まず、国土交通省が想定している土砂災害の種類は以下の3つです。
急傾斜地の崩壊
傾斜度が30°以上である土地が崩壊する自然現象。いわゆる崖くずれ
土石流
山腹が崩壊して生じた土石等または渓流の土石等が一体となって流下する自然現象
地すべり
土地の一部が地下水等に起因して滑る自然現象またはこれに伴って移動する自然現象

レッドゾーン
そして、イエローゾーンについては具体的な規定が決められています。

土砂災害警戒区域(通称:イエローゾーン)
■急傾斜地の崩壊

イ 傾斜度が30度以上で高さが5m以上の区域
ロ 急傾斜地の上端から水平距離が10m以内の区域
ハ 急傾斜地の下端から急傾斜地高さの2倍(50mを超える場合は50m)以内の区域
■土石流
土石流の発生のおそれのある渓流において、扇頂部から下流で勾配が2度以上の区域
■地滑り
イ 地滑り区域(地滑りしている区域または地滑りするおそれのある区域)
ロ 地滑り区域下端から、地滑り地塊の長さに相当する距離(250mを超える場合は、250m)の範囲内の区域
引用:国土交通省 土砂災害防止法の概要



ではレッドゾーンはどうかと言うと、「傾斜度が何度以上」のように具体的な数字が決まっているわけではありません。

土砂災害特別警戒区域(通称:レッドゾーン)
急傾斜の崩壊に伴う土石等の移動等により建築物に作用する力の大きさが、通常の建築物が土石等の移動に対して住民の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある崩壊を生ずることなく耐えることのできる力を上回る区域。
※ただし、地滑りについては、地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等により力が建築物に作用した時から30分間が経過した時において建築物に作用する力の大きさとし、地滑り区域の下端から最大で60m範囲内の区域。
引用:国土交通省 土砂災害防止法の概要



この文章だけを読んで、具体的なイメージを掴める方は少ないかもしれません。簡単に言ってしまえば、レッドゾーンとは、イエローゾーンに該当する地域のうち、住民の生命や体への危害が起こる可能性が特に高い地域を指しています。

どのように指定しているか?

これらのイエローゾーンやレッドゾーンの指定は、どのように行っているのでしょうか。

これについては、各都道府県が該当しそうな土地の地形や地質、また土地の利用状況などについて調査を行って指定を行っています。

また5年ごとに再度調査が行われることになっており、これで新たに指定されることもあります。

ちなみに、2021年、伊豆山で土石流が起こった地域はイエローゾーンでした。盛土に不純物が混ざっていることを自治体では把握していたようですが、それでもレッドゾーンでなかったことは不思議です。もしかすると次回の調査で変更になっていたのかもしれません。

レッドゾーンに指定された場所には住んではいけない?

レッドゾーンに指定されると、その土地に家を建てて住むことができないか?と言うと、そんなことはありません。

ただし、宅地の分譲など開発をする場合は、都道府県知事の許可が必要となります。
また、建物についても基準を満たす必要があり、指定期間の確認を受けることが必要です。

逆に言えば、都道府県知事の許可があり、指定期間の確認も受けられれば、レッドゾーンの地域でも家を建てて住むことができるということです。

国土交通省のルールでは、「レッドゾーン全域では、都市計画区域全域で住宅等(自己居住用を除く)に加え、自己の業務用施設(店舗、病院、社会福祉施設、旅館・ホテル、工場等)の開発を原則禁止」となっています。

ここでも、「自己居住用を除く」となっていることから、自分が住むためであれば、新築住宅を建てることまでは規制されていないことがわかりますね。

一般的には、「レッドゾーンのような危険な地域に住む人はいないのでは?」と考えるかと思います。

ですが、土地が安いことにメリットを感じ、希望する方もいるようです。また、自治体は5年に一度検査して、新たに指定することになっているので、土地や住宅を購入してから指定を受けるというケースも考えられます。

後になって後悔しないためには、事前に調べることが重要。調べ方についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、参考にしてくださいね。

一戸建てを買う前に確認すべきハザードマップ。入手方法とチェックポイントとは?

レッドゾーンでは、[フラット35]Sが利用できない

レッドゾーンでは、建築の許可が下りたからと言って、安全だということではありません。そのため、住宅金融支援機構が発行している[フラット35]Sが、2021年10月から利用できなくなりました。

[フラット35]Sとは、長期優良住宅や省エネルギー性、耐震性が高い住宅を購入するときに利用できるプランです。

[フラット35]は全期間固定金利ですが、[フラット35]S を利用すれば、10年または5年の間、金利を0.25%引き下げることができます。つまり、お得に利用できるということです。

0.25%と言うと少なく感じる方もいるかもしれませんが、住宅ローンは金額が大きいので、決して安くはありません。

ただし、[フラット35]Sが使えない地域でも、[フラット35]は利用できます。

[フラット35]Sが使えなくなる条件は?

レッドゾーンで[フラット35]Sが利用できなくなるのは、2021年10月以降に新築住宅を新築または購入する住宅です。それ以前に申請したものは問題ありません。

少しややこしいのですが、9月以前に着工していた住宅でも、10月以降に設計検査を行う場合は利用できないので注意してください。

また、住宅の敷地の一部がレッドゾーンに含まれることも考えられます。その場合は、以下のように対処します。
利用できないケース
住宅の全部がレッドゾーン内に含まれている場合
住宅の一部がレッドゾーンに含まれている場合
利用できるケース
土地の一部がレッドゾーン内でも、住宅がレッドゾーン内に含まれていない場合

家を購入するときには前もって安全確認を!

夢のマイホーム。そこは自分や家族の命を守る場所であり、財産でもあります。そこが安全な場所なのか、レッドゾーンやイエローゾーンに含まれているかどうかを調べるのはとても大切なことです。

危険があることを理解していれば、早めに避難するなど、リスクを回避することができるはず。これから家を購入しようという方は、ぜひ自分の目で確かめるか、購入前にハウスメーカーや不動産屋にご確認ください。

シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。

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