一戸建ての木造と鉄骨造の違いとは?メリットとデメリットを徹底比較

一戸建てを建てるとき、木造にするか鉄骨造にするかで迷う方がいらっしゃいます。
ここでは木造と鉄骨造をさまざまな項目から徹底的に比較。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、それを踏まえた上で、どちらの方が自分に適しているかを判断するときの予備知識としていただければと思います。
ここでは木造と鉄骨造をさまざまな項目から徹底的に比較。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、それを踏まえた上で、どちらの方が自分に適しているかを判断するときの予備知識としていただければと思います。
目 次
一戸建ての木造と鉄骨造はどのようなものか?
まずは、一戸建ての木造と鉄骨造とはどのようなもので、どのような特徴があるのかを簡単に説明します。木造住宅とは
木造住宅とは、家の構造部分や主要な部分に木材を使用して建てられたものです。建築中の一戸建てを見ればわかるように、家の柱や壁、天井など、全てが木でできています。日本には昔からたくさんの木があったため、古くから一般的な建材として使用されてきました。木造の工法は大きく分けて2つあります。木造軸組工法(在来工法)と木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)です。
木造軸組工法は、まず柱を立て、梁を水平に渡し、強度を増すために筋交いと言われる斜めの木材を入れて補強していきます。
木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は戦後になって日本に導入されたもので、壁や床、天井などの面を木材パネルではめ込んでいくものです。柱で支えるのではなく、面で支えるというイメージです。なぜツーバイフォーと呼ばれるかといえば、パネルを構成している木材が、2インチ×4インチだからです。
同じ木造でも、詳しく見ていくとさまざまな違いがあります。木造軸組工法は間取りの自由度が高く、窓など大きな開口部を作ることができます。一方、ツーバイフォーは耐震性が高く、防火性にも優れています。
鉄骨造住宅とは
鉄骨造住宅は、建物の主要な構造部分に鉄骨を使用して建てられた住宅です。一戸建て住宅に使用される「軽量鉄骨造」と、大型マンションやビル、ホテルなどに使われる「重量鉄骨造」の2種類に分けられます。2つの違いは鋼材の厚さです。軽量鉄骨造は厚さ6mm以下。それ以上の厚みのものは重量鉄骨造となります。つまり、ハウスメーカーなどに、「この一戸建ては鉄骨造です」と言われた場合、軽量鉄骨造だと理解してください。
鉄骨造は、木造の柱をそのまま鉄で造ったというイメージ。鉄骨で骨組みを作ったうえにコンクリートで壁面を造ったものは「鉄筋コンクリート造」です。こちらも一戸建てで使用することもあり、鉄骨造よりも強度は増します。
木造と鉄骨造。それぞれのメリット・デメリットを徹底比較
木造と鉄骨造。どちらを選べばよいのかを決めるには、それぞれのメリット・デメリットを知らなければなりません。また単純に比較をすると、どちらかの方が優れている場合でも、一戸建てとして考えると、そこまでの性能が必要ではないこともあります。
そこで、一戸建てという観点から比較を進めたいと思います。
耐震性について
一般的に、木造住宅は地震に弱く、鉄骨造は地震に強いというイメージを持っている人が多いと思います。ですが、阪神淡路大震災の時、鉄筋コンクリート造のビルまでもが倒れる中、見るからに古い木造住宅がそのまま残っていたということがありました。なぜこうなったかといえば、木材のなかでもしなやかな樹種が使われていて地震の揺れを吸収し、さらに構造を補強する筋交いが十分に機能したために、高い耐震性を発揮したのです。
その後、2000年に建築基準法が改正され、それ以降建築される建物は、さらに高い耐震基準を満たすことが求められています。また最近では、木造の高層ビルを建てる例が増加しており、「木造だから地震に弱い」とは言えなくなってきています。
もちろん、鉄骨造は地震に強いです。鉄骨造は地震のエネルギーを鉄骨が吸収して耐震性を発揮するからです。基礎構造も頑丈なため、今の耐震基準で建てられていれば、大きな地震でも倒壊するようなことはまずありません。ただし、鉄筋コンクリート造の場合、建物自体の重量があるため、揺れは大きく感じられます。
耐火性について
耐火性については、木造住宅と鉄骨住宅を比較すると、鉄骨の方が耐火性は上がります。また火災保険に関しても、2つを比較すると木造住宅の方が低く設定されています。しかし、一般的に言われる「木造は火に弱く、火事になったら、あっという間に燃え広がってしまう」というイメージは少し違うかもしれません。確かに、昔はそのイメージに近かったのは事実ですが、近年は木材の性能が上がっており、耐火性も強化されているからです。
前述した木造の高層ビルの場合、耐火性においては厳しい基準を設け、そのテストに合格したものだけを採用するようになっています。つまり、木材も非常に燃えにくい素材にする技術ができたということです。もちろん一戸建てで使用する建材が高層ビルの建材と同じではありませんが、それだけ技術が上がっている証明にはなるでしょう。
どちらにしても、火災はあってはならないこと。最初に燃え広がるのは家の中にある家財です。火災が起きないような暮らしをすることは、何よりも重要です。
建築コストについて
建築コストは鉄骨造住宅の方が高くなります。これには2つの理由があり、1つ目は木材よりも鉄骨材の方が高めだということ。2つ目は、鉄骨造は工期が長くなり、その分、人件費がかかるからです。固定資産税について
家を購入すると毎年払わなくてはいけない固定資産税。このうち、建物に関わる部分の算出には経年劣化が大きく関わるのですが、これは木造と鉄骨造で違います。具体的に解説しましょう。
固定資産税の計算は、「家屋の評価額」に固定資産税率(現在は1.4%)をかけたものになります。この「家屋の評価額」を算出するには、「経年減点補正率」が大きく関わっていて、この数字が大きいほど、固定資産税が高くなります。
木造の場合、1年目は0.80、鉄筋は0.9579です。これが、27年目になると木造は0.20で以降固定になりますが、鉄筋は0.3596。45年目以降になってやっと0.2になります。
それだけ鉄筋は経年劣化しにくいということですが、固定資産税については木造の方が安くなるということです。
維持費について
あくまでも一般論ですが、木造住宅は10から15年に1度くらいの割合で外壁を塗り替えるのが理想的だと言われています。実際には、使用した建材や立地環境によりかなり差はありますが・・・。また木造住宅はシロアリの被害がありますが、鉄骨住宅にはありません。定期的なメンテナンスと言う意味では、木造の方がコストはかかります。
一方、工法によりますが、水道管などが建物内部で壊れた場合、鉄骨造では壁を一旦壊さなければならないケースが出てきて、修理費用が高くつくことがあります。
耐用年数について
耐用年数には2種類あり、1つ目は法定耐用年数。これは、国税庁により定められているもので、長期的に使用に耐え、経済的に価値があるものとされています。 これは以下のように定められています。【法定耐用年数】
木造 | 22年 |
軽量鉄骨プレハブ(骨格材肉厚3mm以下) | 19年 |
軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) | 27年 |
重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
もう1つの耐用年数は物理的耐用年数です。これは実際にどれだけの期間住めるかというもの。これは施工した状態や住んでいる人の使用状況、メンテナンス状況にもよるので、一概には言えません。ですが、マンションであれば100年以上耐えられるとも言われています。
また、木造住宅も約80年は持つとも言われていて、イメージよりはずいぶん長いと感じるのではないでしょうか?
防音について
日々の暮らしの中で気になることに防音があります。子供の声や生活音を外部に漏らさない遮音性は、鉄筋コンクリートの方が高くなります。ただし一軒家では窓の開閉状態に加え、周りの家との距離なども関係します。
暑さや寒さについて
マンションは、冬は暖かく、夏は涼しいと思っている方も多いようです。これはエアコンを買いに行くと、「マンション8畳/木造6畳」と書かれていることも影響しているのかもしれません。
しかしこれは、マンションという形態に由来するもの。自分が暖房を使いたいほどの気温であれば、周りの家も暖房をかけていて、マンション全体として暖ためあっているという特性があるからです(冷房も同じ)。
しかし、一戸建てとなると状況は変わります。単体で温めたり冷やしたりしなければいけないわけで、気密性や断熱性が大きく関わってきます。こうなると鉄骨造の方が不利で、特に冬場は寒さを感じやすいと言われています。
また夏は鉄筋の方が熱を溜め込みやすく、放熱もしにくいため温度も高くなりがちです。
一方、木造は古くから日本に馴染んだものであり、木材自体が自然に対応する素材です。鉄筋コンクリートに比べ夏は涼しく、冬は暖かい特徴があります。
木造は確かな職人が建てたものを選ぶべき
木造でも鉄骨造にもメリット、デメリットがあることが伝わったかと思います。結局、どちらがよいのかを選ぶのはご自身の判断によるかと思いますが、この記事が選択する際の助けになると幸いです。最後にひとつ。
鉄骨造の材料や部品は、工場で一律生産されています。また、組み立ての一部も工場で行われるので、ハウスメーカーや職人の能力による差がでにくいと言われています。
一方、木造は職人の技術で欠陥住宅が発生する可能性もあれば、一般の住宅よりも優れた家になる可能性もあります。木造を選ぶなら、確かな技術力を持ったハウスメーカーが造ったものを選んでください。木造の建材の技術は確実に進化していて、鉄骨にも負けないすばらしい家も多く誕生しています。
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