住宅購入時に契約する火災保険の必要性について
火事の原因は? 決して少なくない放火
火災保険ですから、まずは火災面の補償から説明を進めます。実際には火災以外でも補償が受けられるので、ぜひ最後までお読みください。
総務省消防庁が発表した「令和元年版消防白書」によれば、平成30年中の出火件数は37981件。このうち、失火による火災は全体の7割強でした。失火とは、過失から火事を起こしたものを指します。これに対する言葉は放火。こちらは、故意に焼損させることを指します。
出火原因別に見ると、最も多いのはタバコで3414件。次が焚き火で3095件、コンロが2852件と続きます。
こう聞くと、「わが家はタバコを吸ってないし、焚き火もしないから、とりあえず安全だ」と思うかもしれません。しかし次いで多いのが放火で2784件。また、放火疑いは1977件です。放火と放火疑いを合わせると一気に多くなりますね。
延焼被害を受けても賠償請求できない
また、法律上、延焼被害でも火元に賠償請求ができないと決められています。
例えばお隣さんから火が出て、その炎が自分の家に燃え移り被害を受けた場合でも、民法の特別法(失火責任法)により、お隣さんに賠償責任はできないのです(火元が重大な過失で発生させた火災を除く)。
驚きですよね。
余談ですが、この失火責任法は明治時代にできた法律。多くの家が木造で、人々が密集して住む日本の住宅事情では、一度出火すると燃え広がることが多く、その延焼の責任を火元に負わせるのは困難だということからできたそうです。
こうなると、どんなに自分たちが火事を起こさないように気をつけていても、それだけでは防げないことになります。お隣が何らかの事情で失火して大火災となり、自宅が延焼しても自分でなんとかしなければならないわけですから、やはり火災保険には入っておくべきです。
データとしては、建物火災が起こり延焼に及んだ確率はおよそ20%です。しかし木造建物の延焼率は30%を超えています。記憶に新しいところでは、2016年に糸魚川市で起こった大規模火災では、木造住宅がほとんどだったことも延焼に次ぐ延焼を広げた原因のひとつだったと言われています。
消火活動により被害を受けることもある
もう一つ重大なことがあります。それは近隣住宅の消火活動によって、家に重大な損害をこうむる可能性があることです。
例えば、家が密集していて消防車が火元に近づけない場合、それ以上延焼範囲を広げないために家屋の一部が取り壊されたり、消防のための放水により家中が水浸しになったりするケースがあります。
もちろんこの場合も損害賠償請求はできませんから、自分の家の火災保険で賄うしかありません。
オール電化住宅なら大丈夫?
火災保険の話をすると、「うちはオール電化だから火災が起きない」という人が出てきます。確かにコンロなどで火を使わないので消し忘れもなく、コンロから出火することはありません。
しかし、電化製品の漏電やコンセントの差し込み口にホコリが溜まり、それが火災の原因となって失火した例もあり、「オール電化だから大丈夫」とは言い切れません。
また延焼の可能性や放火、天災による被害も考えると、オール電化住宅でも火災保険に入っていることが重要となります。
火災保険はどう選べばよいか
どのような災害のときに適用になるかや金額は、保険会社または保険商品によって違ってきます。補償金額は多少安くなっても保険金額をなるべく安くしたいという方もいれば、いざという時のために万全に保険をかけておきたいという方もいるでしょう。
住宅を購入するとき、火災保険にまで気が回らないという方も多いですが、保険会社の相談窓口に行ったり、ファイナンシャルプランナーなどに相談したりして、自分にあった保険を選ぶようにしていただきたいと思います。
最後に
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