新築一戸建てにかかる土地代や諸手続き費用を考える
土地の価格はさまざまな条件によって変わる
まずは、土地の購入費です。
ご存知の通り、土地の費用は地域によって大きく変わります。たとえば都市部の家は高いと言われますが、これは建築費の差ではなく、多くは土地の価格の差となります。
土地の価格については、ネットで調べようとしても、「公示地価」「基準地価」「土地価格相場」「路線価」「坪単価」などいろいろな言い方があり、それぞれに違うものを差すので混乱しますよね。
まず、地域全体の価格については、「土地代データ」というサイトで調べるとよいでしょう。ここでは地価や坪単価の平均値、変動率など、地価に関するさまざまな数値を見ることができます。
このサイトに書かれている「坪単価」をチェックしてください。かなり細かいエリアまで見ることができるので、おもしろいですよ。
ただし、ここで分かるのはあくまでも地域の平均値。たとえば福岡市全体では坪単価が約138万円なのに対し、中央区では約354万円、東区では約39万円と大きな差があります。
また、土地の値段はさまざまな事情を考慮して算出されます。土地そのものの特性や流通量に加え、売主の事情も考慮されるため、お隣の土地と坪単価が違うということも珍しくありません。つまり、売地と価格を見て妥当な価格と判断するかどうかは買主次第ということ。この判断を正しくするために、周辺の基準を知っておくことが重要だということです。
建売住宅を購入する際も、早めに土地の値段を確認する
注文住宅の場合、まずは土地を購入してから家を建てることになるので、土地の価格は明確に分かります。一方、建売住宅の場合、価格として表示されているものに土地代が含まれていますので土地代は分からないこともあります。とは言え、「土地代が分からず、不利な買い物になるのでは?」と不安を感じる必要はありません。担当者に聞いてみれば教えてくれるはずだからです。
もちろん、聞かなくても契約時に内訳が明示されますし、税金も土地代と建物代は別に算出されます。「聞くのを忘れて勢いで買ってしまった」という方も安心してください。
ちなみに、「借地権」というものがあります。これは時間の差はあれ、いつかは地主に土地を返還しなければならないもの。価格が安く、税金がかからないというメリットがある一方、地代がかかるほか、銀行融資を受けにくい、リフォームをしにくい(地主の許可が必要)などのデメリットもあります。購入時のチラシなどに明確に書かれていますが、それでも価格の安さに惹かれて見落としてしまうケースがあるようですので、注意してくださいね。
決して安くない諸手続き費用。しっかり計算に入れておく
新築一戸建てを購入するときには、土地と建物の代金のほかに諸手続き費用が必要です。一般的に諸経費は、購入金額の5~13%ほどと言われていて、チラシなどに書かれた金額には含まれません(一部含まれていることもあります)。費用に差があるのは、注文住宅にするのか建売住宅にするのかや、設計料の違いの他、ハウスメーカーなど売主から購入するのであれば仲介手数料が不要だからです。
ちなみに、この諸経費の中には引越し費用や家具購入費などは含んでいませんのでご注意くださいね。
以下に、新築一戸建て購入に関連した主な諸費用を一覧にしてみました。参考になさってください。
項目 | 費用の相場 |
---|---|
設計料 | 建築工事費の10〜15%程度 ※建売住宅であれば不要 |
仲介手数料 | (物件価格 × 3% + 6万円)+消費税 ※ハウスメーカーなど売主から購入するのであれば不要 |
印紙税 | 物件価格が1,000万円〜5,000万円以下の場合、1万円 |
司法書士への報酬 | 20万円〜50万円程度 |
登録免許税 | 土地・・・評価額の1.5% 建物…住宅用家屋は評価額の0.3% |
不動産取得税 | 宅地……評価額×1/2×3% 住宅……評価額×3% ※2021年3月31日までの軽減措置 ※固定資産税評価額が基準 |
固定資産税 | 課税標準(固定資産税評価額)×1.4% (自治体によって異なる場合あり) ※初年度は日割り |
都市計画税 | 課税標準(固定資産税評価額)×0.3% (自治体によって異なる場合あり) ※初年度は日割り |
火災保険料 | 契約内容による ※住宅ローンを組むのであれば義務 |
住宅ローン借入関連費用 | 印紙税、融資手数料、保証料など融資金額による |
*税制や諸条件により異なる場合があります。
地鎮祭や上棟式を行うときは、この費用も別途必要です。
最後に
これらの土地代や諸手続き費用は支払先やタイミングなどが複雑で、分からないことが多いもの。不備を発生させないためにも、しっかりとサポートしてくれる不動産屋やハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。