家を買うのは頭金が貯まってから? 住宅ローンと家賃の関係を徹底的に分析 | 福岡のハウスメーカー

お電話でのお問合せ092-504-1200

(受付時間 09:00~18:00 水曜日・休業日除く)

  • 来場予約
  • 資料請求
  • ログイン

家を買うのは頭金が貯まってから? 住宅ローンと家賃の関係を徹底的に分析


監修者:金澤 哲

家を買うのは頭金が貯まってから? 住宅ローンと家賃の関係を徹底的に分析
マイホーム購入を考える方から、「頭金が貯まってから」とう発言をよく聞きます。 「そりゃそうだ」と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、それって本当でしょうか?

家を購入する理由の中に、「家賃を払うのがもったいない」とか、「家賃と同じくらいで家を買いたい」というものがあるのなら、頭金を貯める間の賃貸の家賃も含めて考えるべきかもしれません。

今回は、頭金を貯めてから家を購入するのが本当に正解か、をテーマにしたいと思います。

新築祝いで聞こえてきた頭金と家賃への疑問

先日、先輩が家を購入したというので、新築祝いに出かけてきました。新型コロナが落ち着いているタイミングだったこともあり、少人数ながら楽しいひと時を過ごしました。

その先輩は39歳で家を購入したのですが、「うちは必死で頭金を貯めたけど、もっと早く購入する方法もあったのかも」と言うのです。一同、「え?」となったのですが、話を聞くと気になる内容。

先輩曰く、「ローン返済額を減らしたいために必死に頭金を貯めてきたけど、その間に払った家賃は消えちゃったんだよな…」

確かに、頭金を多く払うほどローン負担が減るのは事実です。でも、ローン返済は資産形成をしている意味もあるのですが、賃貸の家賃は何にもつながりません。まさに、「消えた」と言うのにふさわしくなります。

そこで、住宅ローンについて、さまざまな角度から検証してみたいと思います。

頭金ありとなしのローン返済額の差は?

まずは、「頭金なし」と「頭金あり」の場合の住宅ローン返済額の違いを比較します。

3,500万円の物件を購入する場合、頭金なしなら借り入れは3,500万円、頭金が300万円あれば借り入れは3,200万円となります。
(シンプルな比較にするために、手数料などは加味していません)

条件は以下とします。
・物件価格:3,500万円
・金利:1%(全期間固定金利・元利均等払い)
・借入期間:35年
・頭金:0円、300万円、500万円

頭金ローン借り入れ分返済総額利息合計額月々の返済額
0円3,500万円41,495,820円6,495,820円98,799円
300万円3,200万円37,938,981円5,938,981円90,331円
500万円3,000万円35,567,804円5,567,804円84,685円



この表を見れば、頭金が多い方が利息負担は少なくなり、毎月の返済額も減ることが分かります。頭金0円の場合と頭金500万円を比較すると毎月14,114円の差。ローン返済は毎月のことですから、この差は大きいと言えます。

頭金を貯める間の家賃も含めて考える

では、頭金はどのようにして用意するのでしょうか?

「親や親族から援助してもらえる」という方がいらっしゃるかもしれません。また、すでにマンションなどに住んでいて、それを売却した代金を頭金として使うという住み替え派の方や、家を購入するまでは実家暮らしをするという方もいらっしゃるでしょう。

そのようなラッキーな方は、頭金を増額することだけを考えてお金を貯めていくのが正解だと思います。

ですが、多くの方は自分たちで頭金を貯めていきます。その場合、頭金を貯める期間は賃貸物件に住む方がほとんど。こうなると、その期間の家賃のことも考えなければなりません。

仮に福岡県で2LDKの物件を賃貸する場合、5万円台から7万円代が相場となります。ここでは仮に6万円として計算します。

また、頭金を貯める期間は5年間とします。
つまり、60ヶ月の間は頭金を貯めつつ、以下の金額を家賃として支払うことになります。

6万円×60ヶ月=360万円

360万円とは、大きな金額ですよね。
実際には礼金や更新料などが加わります。一体いくらになるのでしょう・・・・・・。
(これらは物件によって違うので、家賃だけを考えます)

これを先ほどの住宅ローンシミュレーションとあわせてみましょう。5年間で貯める頭金は500万円として比較してみます。

頭金ローン借り入れ返済総額賃貸家賃住居費合計(頭金+住宅ローン返済額+家賃)
0円3,500万円41,495,820円0円41,495,820円
500万円3,000万円35,567,804円3,600,000円44,167,804円


何と!
頭金なしで購入した場合と頭金を貯めてから購入した場合の住居費は逆転。頭金500万円を貯めてからの方が、2,671,984円もの負担が増えます。家賃まで考えると、頭金なしで購入する方が断然負担が少なくなりました。

金利と住宅ローン控除についても考慮してみる

他にも考えなければならないことがあります。それは、今後の金利と住宅ローン控除についてです。

今後の金利は現状維持か、上がるしかない

現在の金利は過去最低水準です。一部のネット銀行などはゼロに近いところがあるほどで、今よりも下がることはありません。今後は、よくて現状維持、そしていつかは上がります。

もちろん、現在の社会情勢から見れば、すぐに上がることは考えられませんが、数年後には上がる可能性はゼロではありません。

3,500万円のローンを借りる場合、金利1%なら金利を含めた総支払額は41,495,820円です。これが金利2%になると48,695,500円となり、7,199,680円も多く返済しなければならなくなります。

いつか住宅を購入したいと考えているなら、金利が安い今が買い時だと言えるでしょう。

住宅ローン控除は2024年に不利になる

もうひとつ、忘れてはならないのが、住宅ローン控除です。

2022年から、住宅ローン控除の内容が変更になりました。住宅ローン控除は制度が作られると、「いついつまで」と期間を定めて作られるのですが、その期限が2021年末だったからです。

この変更により、通常の住宅購入者が住宅ローンを活用する際の控除率が、1%から0.7%に引き下げられる一方、控除期間が10年から13年(新築の場合)に延長されました。

こう聞くと、「控除率は下がったものの、控除期間が延びたのだからよかったのでは?」と感じる方がいるかもしれませんが、実際はそんなにうまい話ではありません。

新制度は、長期優良住宅などの環境性能に優れた住宅と一般の住宅で、控除の差が大きくなりました。一般的に長期優良住宅などは一般の住宅に比べて高額になるので、金額を優先して考える方は一般住宅を購入することになります。つまり、住宅ローン控除としては不利な方を選択することになります。

しかも一般住宅の場合、2022年、23年に入居すれば、住宅ローンの残高上限が3,000万円まで認められ、控除期間は13年です。しかし、2024年、25年に入居した場合、残高は2,000万円と低くなり、控除期間は10年と短くなってしまいます。

つまり、「いつか新築を購入したい」と言っている方が、2024年に新築物件を買って入居する場合、住宅ローン上限は下がり、控除期間も短くなって損をすると言うことです。これなら2023年までに住宅を購入する方が断然お得ということです。

家探しには時間がかかり、1年以上の時間を要する方がいることを考えると、すぐにでも動き出す方がよいと言えます。

頭金を払うより繰り上げ返済をする方がお得!

「そうは言っても、頭金なしで家を購入するのは勇気が要る・・・・・・」という方に、もうひとつの方法をお伝えしたいと思います。

それは、繰り上げ返済。

繰り上げ返済とは、毎月返済しているローンとは別に、まとまった額を返済する方法です。この返済分はすべて元本に充てられるので、ローン残高が減り、その分の利息負担も減少します。

繰り上げ返済後のローン返済は、ローン期間を短くする方法と、期間は変えず返済額を減少させる方法があります。どちらにしても、総返済額を減らすことには変わりはありません。

つまり言い方を変えれば、繰り上げ返済とは、頭金分を後から払うようなイメージだとも言えるでしょう。

では、シミュレーションしてみましょう。住宅ローンの条件はこれまでと同じく、金利は1%で、3,500万円を頭金なしで購入。そのまま返済を続けた場合と、5年後に500万円繰り上げ返済した場合を比較してみます。

なお、繰り上げ返済後は、支払期間を短縮させる方法を選択します。
ローン借り入れ額繰り上げ返済(5年後)返済総額金利合計額返済期間
3,500万円0円41,495,820円6,495,820円35年
3,500万円500万円39,939,588円4,939,588円29年6ヶ月

*繰り上げ返済額「500万円」としていますが、正しくは4,964,502円です。

上記の場合、繰上返済をしない場合と、繰上返済をした場合の総返済額差額は1,556,232円となります。

前述した頭金0円で3,500万円借りる場合と、頭金500万円で3,000万円借りる場合の利息の違いは928,016円でした。つまり、頭金を貯めてから購入するより、借りてから繰り上げ返済する方が50万円以上もお得ということになります。

しかも、返済期間は29年6ヶ月となり、5年6ヶ月も短縮されます。

結論、頭金なしで住宅購入する方が断然お得!

結論として言えるのは、いつか家を購入したいと考えるなら、賃貸住宅に住んで家賃を払いつつ頭金を貯めてから購入するのではなく、頭金ゼロで購入し、頭金分を繰り上げ返済する方がお得と言うこと。

借りてから繰り上げ返済する方が50万円以上もお得で、ローン支払い期間が5年以上も短くなり、賃貸住宅の家賃分360万円(6万円×60ヶ月)の負担がなくなるわけです。

しかも、住宅ローン控除も手厚くうけられるわけですから。

もちろん、頭金ゼロで家が買えるなら、貯金はゼロでも買える……というわけにはいきません。住宅を購入するときには、さまざまな諸費用が必要になるからです。さらに、引っ越し代などもかかります。

事務手数料については、住宅ローンに組み込む方法や「諸費用ローン」が用意されているケースもありますが、さすがに引っ越し代やカーテン代などはでませんので、最低限のお金は必要です。

建売住宅の購入時には追加費用に注意

住宅購入時の優先事項は家庭によってさまざまですが、価格の優位性から考えると、建売住宅が優れています。

しかし、広告に記載されている価格だけで比較すると、後から泣きを見るケースもあります。それは、カーテンレールや照明など、後付けすることになっているハウスメーカーがあるからです。

また、費用面を考えるなら、仲介手数料にも注目すべきです。仲介手数料とは、不動産の売買の際に不動産業者に支払うもの。ハウスメーカーなど売主から直接購入するなら仲介手数料は必要ありません。これも高額なので考慮したいところです。

住宅ローンは家を購入するのに欠かせません。長期的な視野を持ち、総合的な判断が必要になりますが、個人で集められる情報には限りがあります。また、ハウスメーカーなどが紹介できる住宅ローンや金利優遇措置があることもあり、ひとまず専門家の意見を聞いてみるのもよいでしょう。

シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。

新築一戸建てをお探しなら、シアーズエステートをぜひご活用ください。

お金(住宅ローン・固定資産税・仲介手数料・税制)についての関連記事のご紹介