住宅ローンのボーナス払いのメリット・デメリット。基礎知識から徹底解説!

住宅ローンを組むとき、ボーナス併用払いにするか、月々払いだけにするか、悩む方が多いようです。ボーナスの金額は変動が大きいですが、毎月の返済が少ないのは生活のゆとりに直接関わってくるので、迷って当然です。
ここでは住宅ローンのボーナス払いとはどういったものなのかを確認した後、メリットとデメリット、金額の考え方を解説していきます。
ここでは住宅ローンのボーナス払いとはどういったものなのかを確認した後、メリットとデメリット、金額の考え方を解説していきます。
目 次
住宅ローンのボーナス払いとは?
まずは、ボーナス払いの仕組みについて解説します。住宅ローンのボーナス払いとは、毎月の返済とは別に、年に2回、追加で返済する仕組みのことです。
漠然とボーナス返済をする月は、支払い額が増えると考えている方もいるかと思いますが、詳しく見てみると、毎月の返済分は年間12回払い、それ以外にボーナス払いをするというイメージです。
ローンの組み方としては、月払いの分とローン払いの分の2本立てでローンを組むと考えると分かりやすいかもしれません。
たとえば、2500万円の住宅ローンを組む場合。ボーナス返済分を30%と考えると、以下のようになります。
[2500万円の住宅ローンのイメージ(30%をボーナス払いとする場合)]
• 70%分 = 1750万円分の住宅ローンを毎月返済
• 30%分 = 750万円分の住宅ローンをボーナス払いで返済
住宅ローンでボーナス併用払いにするメリット
では、ボーナス払いを併用するメリットはどのようなものでしょうか。何より大きいのは、毎月の返済額を安く抑えられることでしょう。ローンの支払いは毎月のこと。家計のやりくりに苦労している方は多く、ローン返済が減れば、それだけ生活にゆとりがでて、楽になるということです。
どれくらい楽になるのかは、ボーナス払いを何割にするかによります。毎月の返済を多めにして、ボーナス時に少しだけ追加して払うという方もいれば、毎月の支払いは最低限にして、ボーナス時に一気に払いたいという方もいらっしゃいます。どちらにしても、月々の生活は楽になるのは間違いありません。
実際に、ボーナス併用払いにすることによって、月々の支払いがどれくらい変わるのかを計算してみます。
[ローン払いシミュレーション]
条件:2500万円を民間金融機関で借りる
金利:1.5%
ローン期間:35年
ボーナス払い額 | 0円 | 149,895円 | 230,182円 |
---|---|---|---|
毎月払い額 | 76,546円 | 51,622円 | 38,273円 |
年間返済額 | 918,552円 | 919,254円 | 919,640円 |
総支払額 | 32,149,099円 | 32,173,964円 | 32,187,204円 |
ボーナス払いゼロの場合、月々の返済は約76000円かかるところ、23万円のボーナス払いを併用すれば、月々の返済は約38000円。半額ですむのは大きな魅力です。
ボーナス併用払いのデメリット
ボーナス併用払いは魅力的ですが、メリットだけではありません。当然、デメリットもあります。利息が高くなる
まず一点目は、利息が若干高くなるということ。上記の表で言えば、同じ2500万円のローンを組んでいますが、ボーナス払い額が大きいほど、総支払額が多くなっています。この差は利息。ボーナス払いがない場合と、23万円の場合を比較すると、4万円弱の違いが出ています。とはいえ、この4万円は、ローン期間35年の間の話です。4万円ですから、あまり神経質になる必要はないのかもしれません。
ボーナスの金額は不安定。なくなることもある
そもそも勤務先から支給されるボーナスは、会社の業績に連動していることが多く、会社が儲かっていれば高くもらえる一方で、業績が悪くなれば大きくカットされてしまいます。「うちは大手だから安心だ」と考えている方もいるかもしれませんが、コロナ禍では大手企業ですらボーナスが出なかった例はたくさんあります。これは注意したいところです。
その点、公務員はあまり変動することはありません。もっともボーナス併用払いにむいていると言えるでしょう。
また、長い人生、何があるか分かりません。ボーナス払いをする前提は、「ローン期間中、変わらぬ収入が継続する」というものです。しかしローン返済期間は最長35年と非常に長く、その間には勤務先がなくなってしまうこともあります。
また勤務先は変わらなくても、給料体系が変わったり、自身が転職してしまったりもあるでしょう。そんなとき、家を手放すことは避けたいものです。つまり、万が一のときのことを考えて、ボーナス払いを併用するかどうかを考えることが重要ということです。
住宅ローンを組むときは定年後のことも考える
また意外な落とし穴になるのが、定年後にボーナス払いができなくなるというパターンです。住宅ローンの借入期間は最長35年。完済年齢は80歳まで組めるものがあります。最近は60歳を超えても働き続けられる職場が多くなっていますが、多くの場合、60歳で一度定年し、再雇用という形で勤務します。一時的に退職金は手に入るものの、給料は非常に低くなる例が多くあります。
それでも退職金があれば、それを返済にあてるという選択肢があります。ですが、そもそも退職金がないという会社も多く、そうなると支払いは厳しくなってしまいます。
またそれ以前にも、50代後半から「役職定年」という制度を採用している企業が多く、この段階で年収が大幅に減ることもあります。
定年近くなって住宅ローンの支払いに苦しむ方の話を聞くと、「退職金で残ったローンを払おうと思っていた」とか、「定年までに繰り上げ返済をするつもりだった」などいいます。何事も計画的にならなのが人生。リスクを回避する方法はあらかじめ考えておきたいものです。
ボーナス併用払いを利用する上での注意点
ボーナス払いは危険とはいえ、毎月の支払いが減ることはやはり魅力です。では、ボーナス併用払いにするときは、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ボーナスがなくなってもやり過ごせる備えをする
その一つが、ボーナスがなくなった場合を想定して返済計画を立てておくということ。この先、景気後退や給与規程の改定、また転職などによって、当初見込んでいたボーナスが支給されないことを想定し、返済計画を立てておくのです。
たとえば、毎月、あるいはボーナスが支給されている間に一定額を貯蓄するようにすれば、この先ボーナスが減額されたり、支給されなくなった場合でも、その貯金をボーナス返済に充てることが可能となります。
ボーナスがなければ払えないローンは組まない
極端にボーナス払いに頼り切った返済計画を立てないことも重要となります。筆者が知っているケースでは、毎月の支払額は2万円。それに対しボーナス払いは1回につき25万円という人がいました。毎月の支払いは、家を買う前の賃貸家賃の約3分の1程度になったにも関わらず、貯金をしなかったために、コロナ禍でボーナスが支給されなくなり、あっという間に家計は火の車になりました。
こうならないために、ボーナス払いの割合を適正にしておくことが大切です。ボーナス払いでなければ返済ができないという金額の設定はしないようにしてください。
ボーナス払いはいくらが適当か?
ではボーナス払いは、どれくらいに設定すればいいのでしょうか。いろいろな考えがありますが、一般的に適切だと言われているのは、ボーナス支給額の3割程度です。ボーナスのすべてを住宅ローンの返済にあてるのは危険ですし、生活の余裕もなくなってしまいます。また、ボーナスの変動にも耐えられません。
それであれば、通常通りのボーナスが出たときには、ローン返済をした後でもある程度余裕があるようにしておけば、貯金ができます。そしてボーナスが大幅減額されても、貯蓄で返済ができます。
ボーナス返済が難しくなったらどうすればよいか?
ではボーナス返済が難しくなった場合はどうなるのでしょうか。大きく分けて2つの方法があります。
返済計画を変更し、月々払いのみにする
一つ目はボーナス払いをやめて、毎月返済のみに変えるという方法です。住宅ローンのボーナス返済の割合はローン返済中でも変更できます。返済比率を変えて0%にするわけです。ただし、毎月の支払額は増えます。
この場合、住宅ローンを組んだ金融機関に相談することが最初の一歩。また変更手続きには手数料が必要なことがあるので、変更する場合は注意してください。
借り換えをする
もう一つの方法は借り換えをするという方法です。この場合、ボーナス返済をなくすだけではなく、より金利が安い住宅ローンに借り換えることも可能です。たとえば、ネットバンクであれば金利はかなり安いことが多く、この方がお得かもしれません。
支払いがどれくらい変わるのかは、金融機関に行けばシミュレーションをしてくれます。ネットバンクなら、サイトでできるところも多くあります。一度、試してみるとよいですね。
もちろん諸費用がかかりますし、審査もあるので、思ったとおりにならない可能性もあります。
ゆったりとローンを組んで、繰り上げ返済をする方法も
これから先、どのような人生が待っているか分かりません。今はしっかりとボーナスがもらえているけれど、ボーナス返済をするのは怖いという場合、ゆったりとした返済計画を立てて月々の返済額を抑え、繰り上げ返済をしていくという方法があります。たとえば、今の収入が継続する前提であれば20年ローンで返せるという場合、ローンはあえて35年で組めば、毎月の返済額は大きく減らすことができます。その上で、ボーナスを使って毎年繰り上げ返済をしていくことで、ローン期間を短縮していくわけです。
これであれば、順調に繰り上げ返済ができれば、当初の計画通り20年で終わらせることもできますし、ボーナスが減ったときは繰り上げ返済をしなければ負担が増えることはありません。生活の安定性を考えるのであれば、これが賢いやり方だという場合もあるでしょう。
まとめ
毎月のローン返済額を大幅に減らすことができるボーナス併用払い。大きな魅力がある一方、ローン期間は長いため先が見通せず、不安な部分も残ります。せっかく買ったマイホームです。どうせなら長く住んでいたいですし、その支払いであくせくして不幸になるのも避けたいもの。そうならないように、自分たちにとってベストな方法を探すようにしてください。
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