住宅ローンはいくら借りられる?年収別に試算してみた

新築一戸建てを買うとき、住宅ローンを借りるという人がほとんどです。自分の年収だと、いくら借りられるのかが分からなければ家を探すこともできないという声も聞こえてきます。
そこで今回は、みんながどれくらいの住宅ローンを借りているのかといったことや、年収別にいくら借りられるのかをシミュレーションしてみます。
そこで今回は、みんながどれくらいの住宅ローンを借りているのかといったことや、年収別にいくら借りられるのかをシミュレーションしてみます。
目 次
みんなは世帯年収がどれくらいのとき家を購入しているか?
まずは世間の動きを見てみましょう。最初にチェックしたいのは、マイホームを購入した人の世帯年収がどれぐらいだったかです。ここでは2020年11月に住宅金融支援機構が行った調査を参照しましょう。これは実際にローンを組んだ人に調査を行ったもの。リアルな数字を知ることができます(住宅ローン全般の調査となりますので、新築住宅はもちろん、中古住宅の購入なども含まれていることをご了承ください)。
なお、このデータで用いられているのは「世帯年収」ですから、世帯主の年収だけでなく、配偶者が共働きの場合の収入はもちろん、パートに出ていれば、それらも合算した金額となります。

出典:住宅金融支援機構
専門機関の調査ですので、住宅ローンの金利タイプによって細かく分かれています。簡単に説明すれば、「変動型」とは住宅ローンの金利が一定期間(多くは半年)ごとに変動するもの。「固定期間選択型」とは、住宅ローンを受けた後の一定期間は固定金利で、その後は変動金利または見直しをした新たな固定金利とする住宅ローン。「全期間固定型」とはローン期間全てが契約時の金利で継続される住宅ローンです。
なお、住宅ローンの基本情報を知りたい方は、こちらのページで詳しく説明しています。参考になさってください。
→「家を購入するときの住宅ローン借り入れの流れ。審査では何を見られるの?」
上記のデータによれば、固定金利選択型と全期間固定型では、世帯年収「400万円超~600万円以下」と「600万円超~800万円以下」の年収範囲にある世帯が、マイホームを購入した人全体の6割を占める結果となっています。
この金額をどのように感じるでしょうか?
働き手が一人と考えるとかなり高めの金額だと感じる方も、世帯年収となると妥当な金額だと感じる方も多いのかもしれません。
住宅ローンの返済負担率は?
次に気になるのが返済負担率です。これは返済比率とも呼ばれるもので、年収に占める年間返済額の割合を示します。これが高ければ、家計に占める住宅ローンの支払いが高いことになり生活費や貯蓄に回せる額は低くなります。一方、返済負担率が低ければ、 家計に占める住宅ローンの支払いは低くなり生活費などは高くなり、余裕を持った生活ができることになります。
出典:住宅金融支援機構
こちらも金利タイプによって分かれているのでグラフは複雑になりますが、どの金利タイプにしても返済負担率は15%超20%以内の利用が最も高い結果となっています。
15%超20%以内とは、以下の範囲となります。カッコ内は月の負担額(ボーナス返済なし)です。
年収 | 返済負担率15% | 返済負担率20% |
---|---|---|
300万円 | 45万円(月3.75万円) | 60万円(月5万円) |
400万円 | 60万円(月5万円) | 80万円(月6.67万円) |
500万円 | 75万円(月6.25万円) | 100万円(月8.33万円) |
600万円 | 90万円(月7.5万円) | 120万円(月10万円) |
700万円 | 105万円(月8.75万円) | 140万円(月11.67万円) |
800万円 | 120万円(月10万円) | 160万円(月13.33万円) |
900万円 | 135万円(月11.25万円) | 180万円(月15万円) |
1000万円 | 150万円(月12.5万円) | 200万円(月16.67万円) |
マイホームの購入を考えている方は賃貸住宅にお住まいの方が多いかと思います。今負担されている家賃を参考に、この金額がどうなのかを考えてみるのもよいかもしれません。
当然ながら、ライフスタイルや価値観は人それぞれ。一般的な数値が必ずしも正解というわけではありません。子供の教育費にお金をかけたいという家庭であれば住宅費の負担を減らすべきと考えるかもしれませんし、住宅という環境にお金をかけたいと言うのであればもっと高くてもよいのかもしれません。また、将来の資産と考えると違った感覚になる可能性もあります。上記の数値はあくまでも一般的なものとご理解いただければと思います。
住宅ローン借入可能額を年収別に試算
では、住宅ローンとしてどれぐらいのお金を借りることができるのでしょうか。一般的には、「年収の7倍借りることができる」などと言う方もいるようですが、漠然としていますよね。実際の借入可能額を見てみると、一概に7倍とは言い切れません。そこで、より具体的に見ていくことにしましょう。当然ながら、住宅ローンを借りるときには審査があり、年収はもちろん、勤務年数やローン終了時の年齢、物件の担保価値など、さまざまな項目をチェックされます。つまり、一概に「年収がこれだけあれば、これくらい借りられる」と言い切れるものではありません。ここで示すのはあくまでも年収だけを参考にした目安であることをご了承ください。
また、年収から見てどれぐらいの金額が借りられるのかはとても重要ですが、もうひとつ注意したいことがあります。それは金融機関によって(ときには住宅ローンの商品によって)、借入可能な金額は変わるということです。その理由が、金利の選択による場合もありますし、金融機関の基準の違いによる場合もあります。具体的な違いについては、事前審査を受ける前によくお調べいただければと思います。
フラット35、都市銀行、ネットバンクで比較してみた
ここでは、3つの金融機関(商品)でシミュレーションをしたいと思います。3つとは、以下となります。• 住宅ローンの代表とも言える「フラット35」
• 都市銀行を代表して「りそな銀行」
• 金利が安いと言われるネット銀行を代表して「auじぶん銀行」
借入期間は住宅ローンで一般的に最長と言われる35年とします。そして、金利が違えば借入可能金額も変わってきます。ここで使用するのは、各商品で設定されている2021年1月現在の金利から選択しています。りそな銀行とauじぶん銀行は10年固定金利の場合で試算しました。フラット35は全期間固定金利となっていますが、取り扱い金融機関によって金利が変わります。そこで、もっとも多いと言われている金利としました。
金利は基本的に、毎月発表されています。また、同じ銀行でも商品によって金利が違うことがありますので、実際に借りるときにはよくチェックするようにしてください。
なお試算する年収は、300万から1000万まで百万円単位とします。実際に住宅ローンを借りるときには諸経費が必要となりますが、これは銀行によって多少のずれがあるため、今回のシミュレーションでは勘案していません。
試算結果
では、試算の結果を発表します!年収 | フラット35 | りそな銀行 | auじぶん銀行 |
---|---|---|---|
(年利) | 1.290% | 0.595% (10年固定金利) | 0.525% (10年固定金利) |
300万円 | 2,533万円 | 2,170万円 | 2,300万円 |
400万円 | 3,941万円 | 2,900万円 | 3,060万円 |
500万円 | 4,926万円 | 3,620万円 | 3,830万円 |
600万円 | 5,912万円 | 4,350万円 | 4,600万円 |
700万円 | 6,897万円 | 5,080万円 | 5,370万円 |
800万円 | 7,882万円 | 5,800万円 | 6,130万円 |
900万円 | 8,000万円 (借入可能上限額) | 6,530万円 | 6,900万円 |
1000万円 | 8,000万円 (借入可能上限額) | 7,250万円 | 7,670万円 |
[参照]
グラフ内の数値は、各社のサイトで試算したものを記載しています。
• フラット35
• りそな銀行
• auじぶん銀行
ご覧いただければわかる通り、都市銀行を代表するりそな銀行でも、ネット銀行を代表するauじぶん銀行でも、数百万円の差はあるものの大きな差はありません。これは多くの民間金融機関でもほぼ同じだということを示していると思われます。一般的に「年収の7倍の住宅ローンが組める」と言われるのは、これらの数字がおよそ7倍だからかもしれませんね。
一方、フラット35に関してはかなりの違いがあります。たとえば800万円の年収の人が借入可能な金額は、りそな銀行5,800万円、auじぶん銀行6,130万円に対し、フラット35は7,882万円。りそな銀行と比較すれば、2,000万円以上の差があるわけですから、なんと大きな差でしょうか!
フラット35は、半官半民の住宅ローンと呼ばれるもので、民間の金融機関で手続きを行います。つまり、りそな銀行の窓口でも手続きができるということ。商品によって、これだけ大きな差があるわけですから、これも住宅ローン選びの重要なポイントになりそうです。
住宅ローンの借入金額はできるだけ減らす
年収に合わせた借入可能金額がお分かりいただけたかと思いますが、当然ながらこの金額いっぱいまで借りてしまうと日々の生活は苦しくなります。 家を買ってはみたものの、がまんばかりの生活では幸せとは言えません。特に、お子さんの教育費を捻出できないことにつらさを感じる方は多いものです。また、家族の体調不良や転職での収入が減ったとき、少しの減額にも対応できないのは厳しいもの。多少の余裕をもって住宅ローンを組む方がよいでしょう。
今回の試算によれば、年収500万円の人がりそな銀行で住宅ローンを借りる場合、借入可能金額は3,620万円となります。これを元利均等、ローン返済なしで返済する場合、毎月の返済額は93,490円。この金額を聞くと、「結構負担が大きいな」と感じる方が多いかもしれません。
借入金額を減らす方法としては、安い物件を見つけること以外に、頭金をできるだけ多く用意しておくという方法があります。たとえば、頭金として500万円多く用意してあれば、借入額は3,120万円となり、月々の返済額は82,307円。1,000万円多く用意してあれば、借入額は2,623円で月々の返済額は69,117円となります。
家庭の事情や考え方があるかと思いますが、自分で用意する他に、親族から援助を受けたり、出世払いということでサポートを受けたりする方も多いようです。ぜひいろいろな方法を模索してみてください。
シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。
新築一戸建てをお探しなら、シアーズエステートをぜひご活用ください。
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