都心部の建売と郊外の注文住宅を選ぶときに比較するべき5つの条件

家を購入するとき、多くの方は、「いくらくらいの家を買いたい」という金額の希望を持っています。その金額は年収から算出していたり、頭金を加味したものであったり。中には「なんとなく、これくらいなら出せる」といったイメージである場合もあるでしょう。 いずれにしても、予算が決まっていれば、おのずと購入できる家は決まってきます。 しかし同じ金額でも、都心部の建売を購入するか、自分の住みたい住宅を求めて土地価格が低く抑えられる郊外で注文住宅を建てるかで迷う方もいるのではないでしょうか。 今回は、都心部と郊外の違いを5つの観点から比較してみます。
目 次
都心部と郊外の違いを最も感じる時期はいつ?
都心部と郊外の違いといわれて、どのようなものを想像するでしょうか?さまざまな違いがありますし、「ライフステージによって違いがあるのでは?」と感じる方もいらっしゃると思いますが、最も実感するのは2つの時期だといわれています。それは子育てをする時期と老後。
多くの方が子育て期に家を購入するケースが多いことから、子育て期が重要なのは納得できますが、その後数十年たった老後に、また周辺環境の違いを実感するのは面白いところかもしれません。
子育て期は「周辺環境を意識する」という方が多くいます。環境と聞くと「自然が豊かなところ」をイメージする方もいらっしゃいますが、ここでいう環境とは、自然環境はもちろんのこと学校や塾、病院の近さ、買い物しやすいことなどを含めた、さまざまな環境のことをいいます。
では、さっそく見ていきましょう。
子育て期に重要な通学環境
都心部は人口が多いので、学校が多くあります。国が定める通学時間に関する基準は、「小学校は4 km以内、中学校は6 km以内」となっています。一方、福岡市の基準では、「小学校が概ね2km以内、中学校が概ね3km以内」と都心部ならではの距離の近さとなります。少子化が進む中、学校の統廃合が行われて学区が広がり、通学時間が長くなる傾向が全国的に見られます。距離が長くなれば、交通事故に遭う可能性が高くなるほか、身体的な負担が大きくなることや帰宅時間が遅くなるなどの問題が出てきます。中には、公立の学校でありながらバス通学が必要なケースがあり、経済的な負担が大きくなります。
もちろん郊外に住んでも、小学校や中学校が近いという環境であれば通学環境は変わりません。これはじっくりと検討すべき点です。
また最近は、小中学校から私立に行くお子さんが増えていますし、高校になれば通学圏内にある学校から選択することになります。学校生活はその後の人生を決める大きな選択になるともいわれ、どの学校に行くにしても、より広い選択肢がある方がよいでしょう。
さらに塾や習い事にこだわりたい方は、やはり選択肢が多いのは都心部になります。特に学習塾はお子さんにかかる時間的負担が大きいので、立地は十分に配慮すべきです。
どの世代も意識したい自然環境
次に考えたいのは自然環境です。単純に自然に近いという意味では郊外の圧勝でしょう。しかし、もう一方踏み込んで考えれば、子どもが自然と向き合うのは、必ずしも自然の中で暮らす必要はないのかもしれません。例えば、週末や長期休暇など、自転車で出かける範囲に大きな公園があったり、週末になれば家族で出かけられる自然豊かな環境があったりするだけでも話は変わってきます。
また、郊外では田畑が近く、「自然も多いが、自分たちが求めるものではない」と感じる方も多いようです。例えば、田畑が近い環境では虫が家に入ってきて困ったり、肥料のにおいがあわない等。こういった方の求める自然は、「整備された緑の多い公園」のようなイメージだそうで、確かに大きく違いますね。
自然環境については各家庭によってさまざまかと思いますので、どのような自然と、どのような関わっていくことが理想的なのかを話し合うのもよいかもしれません。
命にもかかわる病院に関すること
日常的に行くところではなくとも、いざという時には欠かせない病院。風邪をひいたり、腹痛で行くクリニックは多くの地域にありますが、大きな総合病院は県内にいくつかしかありません。福岡県内にある国立の福岡病院は福岡市南区。同じく国立の九州医療センターは福岡市中央区。福岡大学病院は福岡市城南区にあります。おとなりの佐賀県は、国立の佐賀病院も佐賀大学医学部附属病院も佐賀市にあります。
もちろん、佐賀県嬉野市に嬉野医療センターがあるなど、必ずしも県庁所在地だけにしか大きな病院がないわけではありませんが、脳や心臓疾患などの中には、1分1秒を争う病気もあります。選択肢が広がるという意味ではやはり都心部の方が有利といえるでしょう。
年間の救急車出動回数は全国で約664万件(令和2年度)。コロナ禍で増えはしましたが、実は特別多かったというわけではありません。過去最高ではあったものの、年々増え続ける傾向に変わりはなく、これは高齢化社会と関係があるのかもしれません。
救急車を呼んだものの搬送先がなく、家の前で待機している例があります。コロナ禍では都心部でもこのような例はありましたが、通常時では搬送先の選択肢が少ない郊外の方が待機時間は長いといわれています。いざとなった時には都心にいる方が心強いといえるのかもしれません。
加えて、通院という面でもやはり大きな病院が近い方が便利だという方もいらっしゃいます。私の知り合いは、お子さんが国の指定する難病になってしまい、月に1度の通院をずっと続けています。県内の通院ですが、片道2時間。予約制ではあるものの、病院についてからの待ち時間も長く、結局病院の近くに引っ越しました。
介護についても考える
病院のお世話になりやすいといわれるのが老後です。運転免許を返納した後は特に、医療施設が近くないと通院もままなりません。一般論ではありますが、病院が多い地域には訪問クリニックも多いといわれ、介護の幅も広がります。
また、現在の医療体制では、ケアマネージャーが介護プランを考えますが、ケアマネージャーが多く、変更しやすいのも都心部。どの地域でもケアマネージャーがいますが、郊外では相性や方針が合わないからといって簡単に変更できないこともあります。
若いころは、「歳をとったら田舎でのんびりと…」と考える方が多いですが、実際にお歳を召した方の話をうかがうと、「高齢者こそ、どこにも出かけやすく、病院にちかい都心にすむべき」という方が増えるそうです。
日常生活に直結する買い物の問題
買い物難民という言葉がニュースで取り上げられるようになって久しいですが、改善されているケースは少なく、残念ながら増えているともいわれています。これは立地にもよりますが、日常生活に最も大きく関わるので軽視できない問題です。農林水産省が発表した「食料品アクセス問題に関する全国市町村アンケート調査結果」によれば、買い物難民に対する行政の対策がされていないところが問題視されています。
ここで注目したいのは、大都市部では対策が必要なのに何の対策もとっていない地域はないという点です。一方で中核都市や小都市においては、「他の事業と比べて優先順位が低い」「どのような対策を実施すべきか分からない」「財政上の問題から対策を実施できない」などの理由で、行政が何の対策もしていないところが多くなります。
今後は人口減少することが分かっています。さらに買い物がしにくくなる地域は増えると考えられており、住む場所には十分気を付けたいものです。
結局、都心の建売と郊外の注文住宅のどちらが幸せか?
都心に住むか郊外に住むかの違いで、代表的なものを上げてみました。いかがだったでしょうか?
どこに住むのかは非常に重要で、その後の人生を左右することがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、価値観はそれぞれ。何を優先すべきかはご家族で話し合って決めるべきことだと思います。家は長く住むために購入するものであり、終のすみかとして考える方も多いです。「今」だけでなく、数十年先も予測することも必要で、広い視野から考えてみてください。
質のよい建売は注文住宅と変わらない満足度がある
さて、単純に建売と注文住宅という比べ方をするならば、注文住宅の方が自分の要望に添っていると考える方が多くなります。「都心も捨てがたいけど、注文住宅も捨てがたい」と感じているかもしれません。でも、実際にどちらも販売している弊社の感覚として、ご家族によっては満足度の差はそれほど大きくないのかな?と思っています。
特に建売のメリットとして上げられる
- 最初から購入金額が明確に分かっているので安心
- 引っ越しをするまでの期間が圧倒的に短い
- 家が完成しているので、住んだ後のイメージをしやすい
- 設計にかかる手間がない
- 経済的な負担が少なく、余裕をもった生活を送れる
などは注文住宅よりも圧倒的に優れている部分であり、一概に注文住宅の方が幸せになれるとはいえない部分かと思います。
しかも、ひとくちに建売といっても、内容はさまざま。どのハウスメーカーが建てるかによって大きな違いが出てきます。
例えば弊社の場合は、注文住宅を多く建てています。さまざまな方にご要望をうかがう中で多くの方が必要不可欠だといった部分や、住んでみて「これはよかった」と聞いたものを建売にフィードバックしているので、かゆいところに手が届く設計になっています。
また、建築を担当するのは質の高い注文住宅を建築しているのと同じ職人なので、クオリティも高くなっています。これであれば、最初から決められたものを手に入れるという部分では注文住宅と違うのかもしれませんが、住宅の質という点ではまったく変わりがありません。
家に長く住むという観点から見れば、都心の建売という選択肢の方が便利で幸せなのかもしれません。
皆さんはどのように考えたでしょうか?
シアーズエステートは、グループ全体で引渡しを終えた住宅が6000戸以上(注文住宅約5600戸、建売住宅約400戸)。注文住宅のクオリティを建売住宅で実現し、多くのお客さまの支持をいただいています。しかも売主でもあるので仲介手数料などはかかりませんし、ローンのサポートなども万全です。
福岡・佐賀エリアで新築一戸建てをお探しなら、シアーズエステートをぜひご活用ください。
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